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2004年03月02日
お題「英」
今の日本人にとって英雄とは誰だろうか。例えば、ここで昨年大リーグで活躍した松井選手を挙げてみる。彼は確かに、ヤンキースの一員としてチームを優勝に導くめざましい貢献をした。しかしながら、彼には英雄と呼べる何かが足りない。それは私が思うに、「無鉄砲なまでの一途さ」である。
大河ドラマで現在、「新撰組!」が放映されている。ドラマの主人公は近藤勇であるが、新撰組ファンの中には土方歳三を好む人が多いと聞く。司馬遼太郎作「燃えよ剣」に描かれる「トシ」は、戦況がたとえ官軍側に大きく有利であっても幕府軍の一員として戦いつづけた。彼の周囲の人間は、知的に事を解決しようとする中で、彼は剣を持って敵に立ち向かうことにこだわった。函館での最期は、土方が持ち合わせていた「無鉄砲なまでの一途さ」の終着点として純粋な輝きを失わず現在の人々の心さえも離さない。
今、ここで、私が土方流の一途さを発揮したことがあったかを振り返ったとき、あえて挙げるとひとつ思い当たるふしがある。大学4年間を過ごしたボランティア団体で、3年時の一年間、代表を務めた。私にとっての一途さとは、様々な人の話を素直に聞くこと以外になかった。なぜなら、それが価値観の交錯するボランティア団体の代表としての使命だと思ったから。団体に好意を持つ人の意見はもちろんであるが、逆に否定的な意見も熱心に聞くように努めた。ただ聞くことに何の意味があるのだという方もいらっしゃるかもしれない。しかし、自分には信念があった。人は他人に対して自分の思いのたけをしゃべることにより、対話相手と精神的に一歩近づくことができるということ。そうすることで、最終的にはお互いがお互いに対してオープンになり、率直で建設的な議論が可能になると信じていた。
「無鉄砲なまでの一途さ」を持って他人の話を聞きつづけた4年間。土方のような英雄になるためには、まだまだ修行が必要だ。しかしながら、一途さを持って他人に接することを待たないほど、世の中が急速に変わりつつあるのも事実。「スローフード」という言葉が生まれたように「ゆっくり生きること」が見直されつつあるが、まだまだ少数派だ。だから、私は願う。そういう時代だからこそ、亡き河島英五が歌ったように「人の心を見つめつづける時代遅れの男になりたい。」
(43分・946字)
投稿者 zackie : 2004年03月02日 00:00
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